【書評】戦略がすべて/瀧本哲史 新潮新書
- SHO WATABE
- 2020年2月6日
- 読了時間: 2分

本書は「日経プレミアPLUS」の特集および連載「瀧本哲史の時事評論」、「新潮45」の連載「逆張り(コントラリアン)日本論」を元に再編集したもの。
なので戦略に関する本というより、瀧本哲史さんの考え方を知る本という方がしっくりくる。
著者は東京大学法学部卒業。
マッキンゼー&カンパニーに入社後、独立。
現在は京都大学産官学連携本部イノベーション・マネジメント・サイエンス研究部門客員准教授でエンジェル投資家でもある。
ゆえに、文章から様々な物事に対してとても戦略的に考えていることがわかる。
おそらくそれが本書のタイトルになったと勝手に推測している。
コンサルタント出身者が書くビジネス本が好きな人にはおすすめ。
私は以前「武器としての決断思考」という同じ著者の本を読んだことがあるが、本書を先に読むことを推奨する。
私がこの本で一番大切だと感じたことは「ブランディング化」すること。
これは企業だけでなく、個人や国家にも当てはまる。
ブランド確立の利点は次の3点。
・コモディティ化を防げる
・ブランドにふさわしい人、もののネットワークを作れる
・「ブランド信者」が現れ、安定した利益を出すことができる
これで他に埋もれてしまったり、個人の場合は仕事をコンピューターに奪われることもなくなる。
個人的に面白い考えだと思ったのは、RPG(ロールプレイングゲーム)は資本主義のルールを教えているというもの。
その一つが「資本蓄積」と「設備投資」の重要性。
これはゲームを進めると同時にお金を増やしたり、適切なタイミングで武器や防具をレベルアップさせるということで学んでいるとのこと。
ちなみにひたすら時間とお金をつぎ込めば、必ず勝てるスマホゲームはおすすめできないそうだ。
著者は最後に戦略的思考を身につけるための方法を述べている。
それはケーススタディを大量にこなすという「擬似トレーニング」。
つまり身の回りで起きている出来事や目にするニュースに対して、戦略的に勝つ方法を常に考える。
そしてそれを習慣にしてしまうということ。
やはり物事を意識的に考え続けるということが、人生において大切。
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