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【書評】人生の教養が身につく名言集/出口治明 三笠書房

  • 執筆者の写真: SHO WATABE
    SHO WATABE
  • 2020年2月24日
  • 読了時間: 2分

更新日:2020年2月24日



本書は、古今東西の名作・名著の中から出口治明さんが選んだ名言を紹介している。


「はじめに」で「『この名言によって、私の人生は大きく変わった!』などと、びっくりするような出会いを期待しないこと。」と書かれている。

しかし、読書家で70歳を越えて現役の著者が選んだ言葉と解説。

必ず「刺さる」言葉が見つかるはず。


ここでは私に「刺さった」言葉を紹介。

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「不思議なものは数あるうちに、人間以上の不思議はない」

(ソフォクレス「アンティゴネー」)


人間ほどわからないものはない。

時には合理的な判断をせずに、感情に流される。

それによって世の中が動くこともある。

だからこそ、人間を学ぶことが大切で、全ての学問はここに通ずる。

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「困難なことは、自己自身を知ること。容易なことは、他人に忠告すること」

(「ギリシア哲学者列伝」タレスの言葉)


この言葉を見た時、安岡正篤さんの「自得」を思い出した。

大切なことは自分を客観視し、信頼できる人の言葉に耳を傾けること。

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「専門のことであろうが、専門外のことであろうが、要するに物事を自分の頭で考え、自分の言葉で自分の意見を表明できるようになるため、たったそれだけのことです。そのために勉強するのです」

(山本義隆)


「勉強する意味」に対するストレートな答え。

まずはインプットが重要だが、そこで終わってはダメ。

そこから自分で考えて、行動することまでがセット。

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「私が人生を知ったのは、人と接したからではなく、本と接したからだ」

(アナトール・フランス)


変化は遥か格上の人と接した時に起こる。

その人物と手軽に接する方法が読書である。

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「力強いとは、相手を倒すことではない。怒って当然という時に自生できる力を持っていること」

(ムハンマド)


怒りを顔に出してしまう人は子ども。

それを自制するのが大人。

世の中子どもが多すぎる。

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「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」

(二宮尊徳「二宮翁夜話」)


渋沢栄一さんの「論語と算盤」に通ずる。

理念とお金の両方を追求することが本当の商売。

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とても読みやすい本であるが、ここで止まってはいけない。

自分なりの名言集を作れるまで勉強あるのみ。


https://www.amazon.co.jp/dp/4837928129/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_p.1iEb5E5X92V

 
 
 

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