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【書評】ファンベース/佐藤尚之 ちくま新書

  • 執筆者の写真: SHO WATABE
    SHO WATABE
  • 2020年4月2日
  • 読了時間: 2分

ファンベースとは、ファンを大切にし、ファンをベースにして、中長期的に売上や価値を上げていく考え方。


人口急減や超高齢化・少子化により今までの施策は効きづらくなっている。

そのため、ファンに売上の大半を支えてもらいつつ、単発施策を連動させて新規顧客を増やしていく、というような「全体構築」を意識的に考える。

そのようにしないと立ち行かない時代になっていると著者の佐藤尚之さんはいう。


ちなみにこの本は、文学YouTuberベルさんの「2020年面白おすすめランキング20」でも紹介されている。


この本のポイントは3つ。

1.20%の顧客が80%の売上を作っている。

2.全員に好かれようとしない。

3.顧客をファンにするために必要なのは「共感・愛着・信頼」。


1.

有名なパレートの法則。

この20%のファンを喜ばせることが重要。

ファンは長期的にその製品を購入してくれるうえに、口コミにより新たなファンを作ってくれる。


2.

全員に好かれようとする、もしくは新規顧客に重点を置くと当たり前だがファンはいい気がしない。

よってファン離れが起こり、業績が不安定になってしまう。

全社的に「ファンを大切にする」という意識改革が重要。


3.

○共感

ファンを喜ばせるためには意見を傾聴し、商品やサービスを改良していくなどの対策が必要。


○愛着

製品などにストーリーを感じさせる。

ファンミーティングを開催するなど、直接的なコミュニケーションを取る。


○信頼

誠実であること。ファンは誠実な態度を必ず指示してくれる。

また社外で信頼されたければ、社内で社員に信頼されるようにする。


自社製品の分析も重要。

どのポイントが「共感・愛着・信頼」を生み出しているのか継続的にチェック。

さらに買ってもらう前からファンになってくれる準備も必要。


最後に著者は次のように述べている。

「実際には、ファンベースは楽しくてワクワクする施策である。」

社内全体がこのような雰囲気になれば、あとは正のスパイラルでファンが増えていく。


この本の内容は以前に読んだ「D2C 「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略/佐々木康裕 株式会社ニューズピックス」ととても共通点が多い。


世の中の流れはきっと「ファンベース」が主流になっていくのであろう。


https://www.amazon.co.jp/dp/448007127X/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_gFBlEbAY0BH7W

 
 
 

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